【ガーデンシクラメンの育て方】鉢植えで上手に管理する方法
シクラメンは冬に室内で楽しめる鉢花として人気ですが、ガーデンシクラメンはシクラメンを寒い屋外でも育てられるよう耐寒性を高めた品種です。
花が少なく寂しくなりがちな冬に華やかな彩りを添えてくれるガーデンシクラメンは心強い存在。
この記事ではガーデンシクラメンの育て方について、初心者の方にもわかりやすいよう詳しく解説します。
- ガーデンシクラメンの育て方について詳しく知りたい人
- ガーデンシクラメンを鉢植えで上手に育てたい人
ガーデンシクラメンはどんな植物?
ガーデンシクラメンの基本情報
科属名 | サクラソウ科シクラメン属 |
分類 | 耐寒性宿根草 |
花期 | 10月~翌年4月 |
草丈 | 10㎝~20㎝ |
日照 | 日向 |
耐寒性 | ふつう(0℃まで) |
耐暑性 | 弱い |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷり与えます |
病害虫 | 灰色カビ病にかかりやすいので、水のやりすぎに注意し風通しを確保します |
植付け | 9月下旬~11月頃 |
肥料 | 植え付け時に元肥(緩効性肥料)を与えます。 生育期(10月~翌年4月)に液体肥料を2週間に一度与えます。 |
置き場 | 日当たりを好みます。冬も戸外で管理できる(寒冷地や霜がおりる場合は覆いなどの対策が必要) |
ガーデンシクラメンとシクラメンはどう違うの?
戸外で栽培できるように品種改良により耐寒性を高めたシクラメンがガーデンシクラメンです。
シクラメンの最適な室温は10℃から20℃と寒さに弱く室内で育てる植物ですが、ガーデンシクラメンは寒さに強く暖地では冬の戸外でも花を咲かせます。
ガーデンシクラメンは育てやすい植物
ガーデンシクラメンは丈夫で特別な管理を必要としないので、初心者でも育てやすい植物です。
耐寒性がありますが、霜が当たる場所では軒下に入れて管理できるよう鉢植えで育てることがおススメです。
霜が当たらないベランダにはおススメの植物です。
ガーデンシクラメンの選び方と植え付けのポイント
苗を植え付ける時期
ガーデンシクラメンは9月頃から苗が出回るようになります。
ガーデンシクラメンは暑さに弱い植物ですので、暑さが一段落した9月下旬から11月に苗を入手し植え付けをするのがおススメです。
暑さで苗が弱るのを防ぐことができます。
- 9月下旬から11月がおすすめ
(ガーデンシクラメンは暑さに弱いので、暑さが一段落してから)
苗の選び方のポイント
ガーデンシクラメンの葉や蕾には独自の性質があり、状態を観察することは今後の生育のヒントになります。
元気に育つ苗を選ぶためのポイントを以下にまとめました。
- 葉の数が多いものを選ぶ
→シクラメンはひとつの葉にひとつの花芽をつける性質があります - 葉の形が整っているものを選ぶ
→適切な環境で育てられた健康な株は整ったハート型の葉になります - 花や蕾がたくさんついているものを選ぶ
- 葉にシミや変色がないものを選ぶ
→シミや変色は病気のサインの場合があります
植え付けに適した土
ガーデンシクラメンは水はけの良い土を好みます。
市販の草花用の培養土で十分育ちます。
自分で土を配合する場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土4:ピートモス1の配合がおすすめです。
水はけと保水性の両方に優れ、ガーデンシクラメンに向いた配合の土です。
また、元肥として緩効性肥料を用土の量に合わせて与えておきます。
- 市販の草花用培養土
- 自分で配合する場合
→赤玉土(小粒)5:腐葉土4:ピートモス1
植え付ける時の注意点
ガーデンシクラメンを植え付ける際は、ポットから出すときに根鉢(ポットから抜いた時に株についてくる根と土の塊)を崩さないように注意します。
ガーデンシクラメンは過湿や蒸れを予防するため浅植えが適しています。
球根の頭の表面が見えるくらい浅めに植えるようにしましょう。
- ポットから出すときに根鉢を崩さないように注意して植え付ける
- 球根の頭の表面が土の上に出るくらい浅めに植える(過湿予防)
ガーデンシクラメンの置き場所は?
ガーデンシクラメンは日当たりを好む
ガーデンシクラメンは日当たりが良く風通しの良い場所に置きましょう。
一日中日光が当たる場所、もしくは午前中日光が当たり午後は日陰になる場所で管理します。
日光が当たることで花芽ができるので日当たりは花数に影響します。
また、株が蒸れないよう風通しにも注意して置き場所を選びましょう。
- 日当たりの良い場所
→日当たりが良いと花がたくさん咲きます - 風通しの良い場所
→ガーデンシクラメンは過湿が苦手です
寒さや霜を避けるように対策する
冒頭でお話ししましたようにガーデンシクラメンは冬の戸外でも育てることができ、ある程度の耐寒性がありますが(0℃まで)、霜がかかると株が傷むなど厳しい寒さは苦手な植物です。
霜がおりる場合や寒さが厳しい時は不織布やビニールで覆いをしたり、室内に取り込むなどの対策が必要です。
- 不織布やビニールで覆う
- 室内に取り込む
ガーデンシクラメンの管理のポイント
肥料の与え方
まず植え付け時に緩効性肥料を土の量に合わせて与えておきます。
その後、開花期(10月~4月)に2週間に1度液体肥料を与えます。
ガーデンシクラメンは開花期間が長い植物ですが、液体肥料を定期的に与えることで元気に花を咲かせ続けます。
《植え付け時》
元肥として緩効性肥料を与える
《10月~4月》
液体肥料を2週間に1度与える
水やりの注意点
ガーデンシクラメンは過湿を嫌うので、土の表面が乾くのを待ってたっぷりと与えます。
水やりをするときは葉や花、球根になるべく水がかからないように注意します。
葉を持ち上げて直接土の表面に水やりするのがよいでしょう。
葉や花や球根についた水が長時間乾かないと病気(灰色カビ病や柔腐病)にかかりやすくなります。
- タイミングは土の表面が乾いてから、たっぷりと与える
- なるべく葉や花や球根に水がかからないように土の表面に与える
花がら摘みについて
ガーデンシクラメンの花が咲き終わったらなるべく早く花がらを取り除きます。
花がら摘みによって種をつけることに栄養が使われるのを防ぎ、新しい花芽がつくられやすくなります。
花がらを摘むときはハサミを使わず手でねじり取るようにするのがポイントです。
ハサミの刃の表面から細菌が入り込まないように、病気を防ぐためです。
- 花が咲き終わったらなるべく早く花を摘み取る
→種をつけるのを防ぎ新しい花芽を作る方に栄養を向かわせるため - ハサミを使わず、花(茎の部分)を手でねじり取る
→ハサミの刃の表面から細菌が入り込まないようにするため
かかりやすい病気と対策方法
ガーデンシクラメンのかかりやすい病気とその対策についてご紹介します
灰色カビ病
【状態】
花にシミのような斑点ができたり、葉や球根の付け根に灰色のカビが発生します。
【原因】
過湿が原因で、湿度の高い時期や風通しが悪い場合に発生します。
- 風通しの良い場所で管理する
- 傷んだ葉や咲き終わった花をこまめに取り除き、風通しを良くする
- 水やりの間隔に注意し、土の表面が乾いてから水を与える
- 水やりの時に葉や花に水がかからないように土の表面に与える
軟腐病
【状態】
葉がしおれ、進むと葉も球根も腐って柔らかくなり、腐ったいやな匂いを放つようになります。
【原因】
土に潜んでいる細菌が原因です。高温多湿の環境で発生しやすく、茎や球根の傷からも感染しやすいので注意が必要です。
- 土から感染するため、植え付けや植え替えの時には新しい清潔な土を使う
- 花がらや枯れた葉を取り除く時は、ハサミを使わず手でねじり取るようにする
- 水やりの時に葉や球根に水がかからないように土の表面に与える
さいごに
花期が長く、冬を華やかに彩るガーデンシクラメンはガーデナーの強い味方。
様々な花色や、フリルがあるものなど、品種も多様化し魅力いっぱいの植物です。
寄せ植えにしたり、種で増やしたり、夏越しさせたりと楽しみ方も色々。
ガーデンシクラメンの栽培を是非楽しんでみてくださいね。