【パンジーとビオラを挿し芽で増やす③】夏越しできるかな?その後の成長をレポート


ビオラの挿し芽のその後が気になる!
気温が高い時期で不安だけど…無事成長したのかな?

その後の成長はなかなか一言では言い尽くせなくてね…
これからその後の成長を順を追って紹介してくね。
2024年5月の下旬に始めた季節外れのパンジーとビオラの挿し芽チャレンジ。
季節外れの挿し芽にチャレンジしたきっかけについてはこちらの記事で具体的にお話していますので、合わせて読んでみてください。

- 季節外れの挿し芽の生育の状態に興味がある人
- ビオラやパンジーの挿し芽が夏越しできるか知りたい人
①2024年5月20日 挿し芽スタート
2023年の秋から2024年の初夏にかけて育てたパンジー1株とビオラ11株(全て違う種類の株)を挿し芽にしました。
1株あたり3本から5本ずつ挿し穂を作り、4号スリット鉢に植えつけました。
挿し芽に使ったパンジーとビオラたち

- ブルー系フリル
- パープル系1
- パープル系2
- パープルミックス1
- パープルミックス2
- ホワイト
- オレンジ
- イエローミックス
- ブルーミックス
- うすイエローミックス
- うすパープルミックス1
- うすパープルミックス2
上記の通り、12種類の株から3本から5本、合計52本の挿し穂を作り挿し芽用の土に植え付けました。
52の挿し芽のうち、どれだけが順調に成長し夏越しして翌春花を咲かせてくれるでしょうか…。
②2024年5月22日 屋外での管理の様子
挿し芽は直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土を湿った状態に保つためにトレイに水を張り腰水(底面給水)にしてあります。
写真は5月22日、挿し芽をしてから2日後の様子です。
挿し芽をしてまだ間もないので、全てつやつやと元気な状態を保っています。

なぜ挿し芽に直射日光は良くないのか?
挿し芽してばかりの頃は組織が弱く、強い光によるストレスで葉焼けを起こしたり細胞がダメージを受けることがあります。
また、直射日光が当たることで土や葉の温度が上がることで熱によるストレスがかかってしまうため、直接日光が当たらない「明るい日陰」で管理することが重要です。
土を常に湿った状態にしておくための「腰水(底面給水)」
挿し芽直後のパンジーやビオラは発根していないために水分を吸収する力が弱く、土を常に湿った状態にしておく必要があります。
土を常に湿らせておく方法はいくつかあり、腰水のほかには霧吹きや透明なカバーで覆う方法がありますが、挿し芽直後は土の乾燥は厳禁なので私は忘れてしまう心配のある霧吹きでの方法は避け、腰水(底面給水)の方法をとりました。
透明なカバーで覆う方法は温室効果で内部の温度が高くなってしまうため、気温の低い時期の挿し芽には有効ですが5月下旬という時期には向かない方法です。
腰水(底面給水)の方法
腰水(底面給水)の方法は、トレイに深さ1~2㎝くらいの清潔な水を張り、そこに挿し芽したポットや鉢を置きます。しばらくすると水分が浸透して土の表面が湿ってきます。
腰水(底面給水)の注意点
水に雑菌が繁殖しないよう、2日に一度くらいのペースで水を交換します。
また、発根したら根腐れにならないよう腰水を中止し、通常の水やりに切り替えます。
下の記事で挿し芽の方法やコツ、準備するものなどを詳しく説明していますので、これからチャレンジする人は参考にしてみてくださいね。

③2024年6月11日 具合が悪い挿し芽が出てきた
6月に入ると梅雨入りの時期にさしかかり、最高気温が30度に迫る日も出てきました。
暑さに弱いパンジー・ビオラにとっては厳しい時期の到来です。
パンジー・ビオラの発根には通常2~3週間かかると言われますが、5月下旬という気温の高い時期の挿し芽は順調なら2週間で発根するはずです。
挿し芽の中には葉が黄色くなり明らかに具合が悪いものが出始めました。
引っこ抜いてみると…。

葉が黄色くなった挿し芽はやはり根っこが出ていません。
このような挿し芽がいくつかあり、この時点で取り除きました。
ほかの挿し芽の根元を軽く引っ張ってみると抵抗する感じがあり、根が張っているようなのでもうそろそろポット上げする頃です。
④2025年6月15日 挿し芽の発根を確認!ポット上げへ
5月20日に挿し芽をスタートしてから約2週間経ちポット上げのタイミングです。
前回、6月11日の時点で明らかに状態の良くないものは取り除いたので挿し芽の数は当初の52よりずいぶん減りました。

この時点で残っている挿し芽は39です。
葉が黄色くなりつつあるものもあり、この中にどれくらい発根しているものがあるかはまだ分かりません。
根の状態はどうかな…確認するのが怖い…ドキドキします。

こちらは順調に育った挿し芽の発根の様子です。
先ほどの39の挿し芽の中には、残念ながら発根していないものもありました。

ここで発根している挿し芽を肥料分が入っている培養土に植え替えます。

同系色の挿し芽をいくつかまとめて9つの鉢に植え替えました。
この時点で発根を確認し植え替えた挿し芽は32。
スタート時に52あった挿し芽のうち発根したものは32で発根率は61.5%
一般的な条件での挿し芽の発根率は60%から80%と言われているので、この気温が高い時期の挿し芽としてはまずまずといった感じでしょうか。
ここで本格的な梅雨が到来…。
発根したはいいものの、これからの暑くてジメジメした季節を果たしてこの32の挿し芽たちは乗り越えられるでしょうか。
挿し芽の夏越しチャレンジはこの後も続きます。