【フランネルフラワーの育て方】土の配合や肥料の与え方は?水やりのコツも解説
この前ガーデニングショップで可愛いお花を見つけてね、買ってよく調べずに植えたら枯れちゃった…
「フランネルフラワー」っていうんだ。
そうそう、私も枯らしたことあるから分かるよ。
もう一回チャレンジして今元気に育っているから、コツを知ればちゃんと育つ植物だと思うよ。
ボクも再チャレンジしてみようかな。
育てるコツを教えて!
ふわふわした質感で柔らかい色合いがおしゃれなフランネルフラワー。
私もその愛らしさに心惹かれてお迎えした一人です。
初めてお迎えした時は深く調べもせず、一般的な用土や水やり方法で管理していたら…
夏越しできず枯れてしまいました。
諦めきれずもう一度お迎えする際によく調べてみたら、スタートの植え付ける土から配慮が必要、その後の管理方法も少し注意が必要だと知り(前回うまくいかなかったのは)やっぱり…と納得。
管理が難しいと言われているフランネルフラワーですが、再度お迎えした苗が現在元気に育っているところを見ると、気を付けるポイントさせしっかり押さえれば育つ植物だと感じています。
元気に育てるために押さえておきたいポイントをまとめてみました。
- フランネルフラワーを育てたいけど難しいと聞いて迷っている人
- フランネルフラワーの育て方のコツを知りたい人
フランネルフラワーの特徴
本来自生している環境を知り、なるべくそこに近づけることがその植物をうまく育てるカギとなります。
フランネルフラワーはオーストラリア原産の植物
フランネルフラワーはオーストラリア原産のセリ科の多年草。
オーストラリアの山岳地帯の森林や、沿岸部の砂地に自生しています。
花期は4月から6月と9月から12月です。
他のオージープランツと同様にフランネルフラワーも過湿に弱いのが特徴で、日本の夏の高温多湿が苦手です。
フランネルフラワーは少しデリケートな植物
フランネルフラワーは、暑さ、寒さにやや弱く、高温多湿が苦手です。
また酸性の土を好み、根が繊細であったりと、フランネルフラワーの育て方は一般的な草花より少し注意が必要です。
植え付ける用土の配合や肥料の施し方に気をつけるとうまく育ちます。
暑すぎるのも寒すぎるのもダメ、ムシムシした場所もだめ、土も普通じゃだめ、根っこも繊細だなんて…やっぱり難しそう。
この後で、元気に育てる工夫をしっかり解説するから大丈夫!
コツをおさえれば育つ植物だよ。
切り花として輸入が始まり、品種改良により鉢花が流通するように
フランネルフラワーはもともと輸入の切り花がメインでした。
岐阜県農業技術センターによる研究で挿し木苗から自家受粉により採種、選抜を繰り返し鉢花に向く品種が生まれ、今では鉢花が多く流通するようになりました。
フランネルフラワーを元気に育てるための注意点
フランネルフラワーがうまく育たない原因は主に「過湿」「用土」「肥料」にあります。
この3つのポイントをしっかり押さえることで、フランネルフラワーをうまく育てることができます。
- 環境…特に過湿の環境はNG!
- 用土…水はけがよく適正な酸度の土に植え付ける
- 肥料の与え方…根が繊細なため濃度に注意
以下で、フランネルフラワーが元気に育てるためのポイントを詳しく解説していきます。
フランネルフラワーの育て方 〈その①〉環境
高温多湿に注意!
フランネルフラワーは高温多湿な環境は苦手です。
特に雨の当たる場所で管理するのはNG!花や葉がいたみやすくなります。
日当たりを好みますが真夏の直射日光に当てすぎると葉焼けしてしまうことがあるため、強い西日が当たらない場所で育てましょう。
日光不足になると、間延びし花が付かなくなるので日照不足にも注意です。
特に日本の梅雨から真夏(梅雨明け~秋の彼岸)にかけては、高温多湿を避けるために注意が必要です。
- 雨が吹き込まない日向で管理する
- 茶色くなった下葉を取り除いて蒸れを防ぐ
- テラコッタや素焼き鉢など、根に直接暑さが伝わりにくい鉢に植える
- 真夏は西日や強い日差しが当たらない場所で管理する
ベランダは雨がかかりづらく、鉢を臨機応変に動かせるので管理がしやすいと思います。
5℃を下回る場所では防寒が必要
耐寒性は比較的あります(5℃まで)ですが、霜に当たったり凍ってしまうと枯れてしまいます。
霜や降雪のある地域では冬は室内に取り込むか、ビニールを被せて防寒するなどして冬越ししましょう。
フランネルフラワーの育て方 〈その②〉土
フランネルフラワーが好む土は水はけがよく酸性の土です。
- 水はけの良い土
- 酸性の土(pH5.0ぐらい)
以下で土の配合について詳しく解説していきます。
フランネルフラワーに適した土の配合
フランネルフラワーに向いている土の配合はpH5.0程度の酸性の土です。
岐阜県農業技術センターにおいて「pHが5.5より高い土壌では生育が極端に悪くなる」との研究結果が発表されています。
酸度無調整ピートモスと鹿沼土を半々に配合することで、フランネルフラワーに適した酸度と水はけを兼ね備えた土をつくることができます。
酸度無調整ピートモス5:鹿沼土5
「市販の培養土はどうなのか」という疑問がわいてくるかと思いますが、市販の培養土の酸性度はpH6~pH7と、一般的な草花が育ちやすいよう配合されており、フランネルフラワーに適した土よりアルカリ性に傾いているため不向きと言えます。
ブルーベリーも酸性の土を好む植物で、市販の「ブルーベリー用の土」も酸性に配合されているのでフランネルフラワーを植え付けるのに向いています。
水はけの良い土にするために、配合する土として鹿沼土のほかにも赤玉土がありますが、赤玉土は弱酸性(pH6.0程度)、鹿沼土は酸性(pH4~5)で、フランネルフラワーには鹿沼土が向いています。
根が繊細で傷みやすいので、根鉢を崩さないように植え付けましょう。
- 酸度無調整ピートモス5:鹿沼土5の配合土
- 市販のブルーベリー用の土
フランネルフラワーの育て方 〈その③〉肥料
フランネルフラワーは根が繊細で肥料の与え方によっては枯れる原因となります。
肥料の濃度や与え方の間隔など、施肥の注意点をご紹介します。
根が繊細なので高濃度の肥料はNG
フランネルフラワーの根は繊細なために、肥料の濃度が高すぎると肥料焼けで根が傷んでしまいます。
肥料焼けとは、多量の肥料成分によって根が損傷し、株全体がしおれたり葉が焼けるように枯れてしまう現象のことを言います。
液肥を与える場合、草花に推奨される肥料濃度の半分程度にして、与える頻度を増やすことがポイントです。
根っこが繊細でも薄めの肥料を何回かに分けたら、必要な量の肥料をあげることができるね。
フランネルフラワーの肥料不足のサイン
肥料不足の場合は葉が白っぽくなります。
生育期に十分な肥料を与えないと生育が遅くなったり花が小さくなったりします。
肥料の与え方(鉢植えの場合)
フランネルフラワーの肥料の肥料の与えかたのおすすめは
緩効性固形肥料(春と秋に一度ずつ)+薄めた液体肥料(生育期に週1)
肥料は植え付けから2週間ほどたってから与えるようにします。
緩効性固形肥料(置き肥)は、水やりをする度に少しずつ肥料成分が溶け出すので肥料濃度が低く効果が持続するのでフランネルフラワーに向いています。
葉が白っぽくなるのは肥料が不足しているサインです。
大きく育て花をつけるためには液肥をプラスしますが、根が繊細なので肥料濃度を半分程度に薄め、その分回数を多く与えるとよいでしょう。
夏には肥料をストップするか、薄めの液肥を少しだけ与えるようにします。
- 春と秋に緩効性固形肥料+生育期に週に1度の液肥
- 液肥の濃度は薄めに(2倍に薄める)
- 夏は肥料をストップするか、薄めの液肥を少しだけ与える
フランネルフラワーの育て方 〈その④〉水やり
フランネルフラワーは乾燥気味に育てるのが適していますが、乾燥しすぎも枯れる原因となるので土の状態を見ながら水やりをします。
水を与えるタイミング
土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをしますが、過湿にならないよう夏場は早朝か夕方に与えるのがベストです。
過湿に注意!水やりは株元に
上からじょうろで与えると花や葉に水がかかり蒸れて過湿の原因になります。
なるべく葉にかからないように株元に水やりをするようにしましょう。
乾燥気味で育てますが乾燥しすぎもNGなので、実際に土を指で触って感覚をつかむのがおススメです。
経験値がアップすれば水やりのタイミングが分かってきます。
フランネルフラワーの育て方 〈その⑤〉植え付け・植え替え
根が繊細で弱いので、植え付けや植え替えの時は根鉢を崩さないように注意します。
植え替えの際には根を傷つけないように一回り大きな鉢に植え替えます。
適期は4~5月と9~10月です。
フランネルフラワーの育て方 〈その⑥〉花がら摘み・切り戻し
花がら摘みで病気予防
フランネルフラワーの花期は4~6月と9~12月です。
開花期に花がらをそのままにしておくと灰色かび病が発生するのでこまめに摘み取っておきます。
灰色かび病とは
カビ(糸状菌)が原因の病気で花びらや蕾にシミができたり、葉が黒く変色して枯れたような症状がみられる。
過湿で発症しやすいので風通しの良い場所で管理する。
一般的な切り戻しの方法
一般的には花が一段落した8月に枝先を5㎝ほど切り戻します。
新芽や脇芽が伸びて秋に花が咲くのを促進します。
株を若返らせる切り戻し
フランネルフラワーは年月が経過すると下葉が枯れて、茎が木質化してきます。
株を若返らせるためには下から新しい芽を伸ばすように深めの切り戻しをします。
一度に切り戻すと株が弱るので、枝ごとに時期をずらして切り戻します。
(岐阜農業センターHPより)
- 一般的な切り戻し
時期は8月に、先端を5㎝くらい切り戻す - 株を若返らせる切り戻し
下から新しい芽を伸ばすように深めの切り戻しをする。
一度に切り戻すと株が弱るので、枝ごとに時期をずらして切り戻す。
年月を重ねた株は下葉がなくなり、木質化した枝が目立ってきます。
そのようなアンバランスな株についての剪定以外の対処法を以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
さいごに
(上の写真は私が育てているフランネルフラワーです。)
フランネルフラワーの育て方について、たくさんのポイントをお伝えしてきましたが、枯らさないために最低限押さえておきたいポイントは以下の4つです。
とにかく枯らしたくないから、ボクはこの4つだけは気をつける!
- 過湿を避けるために乾かし気味に、風通しよく育てる
- 水はけの良い酸性の土に植えつける
- 根を守るために肥料を低濃度にし、根鉢を崩さず植える
- 夏は西日や直射日光に当てすぎず、冬5℃以下になる場合は防寒する
上記のポイントを押さえた上でもう一歩先へ、夏越し冬越しをして花をたくさんつける株にしたい場合押さえておきたいポイントは以下の2つです。
- 固形肥料と薄い液肥を上手に組み合わせて根を傷めず肥料を与える
- 花後に花がらつみをし、8月に切り戻しをする
以上のポイントに気を付けて元気なフランネルフラワーを育ててみてくださいね。